『若きサムライのために』
私の中では、現代社会でありえない存在という認識。
でも、風評しか知らなくて実際読んだことはなかった。
実際手にとって読んでみました。
エッセイ『若きサムライのために』。
読んでみたら、普通にすんなり受け止められ、
むしろおもしろくて一気に読みました。
べつに過激でおかしな思想家でもなんでもない。
むしろ、男らしくてかっこいい。
死ぬ気で美意識を追求した男、のようです。
「文弱の徒」を批判するくだりが、自分にとってとても自戒になります。
一流の文学とは、何の救いもなく人間を絶望のふちに突き落とすもの。
その力を借りてあっち側に行った人間が世界を斜めに見て、馬鹿にする。
そういう人間は、「青年にとって一番大切なものである純粋な愚かしさ、
動物的な力を欠いている。彼らは隠花植物の一種になったのである。(抜粋)」
ただ盲目的な単純な行為が、そういうものを克服する。